VOC汚染対策
鉄粉法による分解浄化
有機塩素系化合物による土壌汚染には、DOWAエコシステムグループが独自に開発し、改良を重ねた土壌浄化用鉄粉E-401による浄化を行います。僅かな混合量で、一般の鉄では分解困難な、cis-1,2-ジクロロエチレン(c-DCE)やジクロロメタンといった物質でも素早い分解が可能です。
汚染土壌を現地から運び出すことなく、大型3軸オーガーで直接汚染源に混合するDIM®工法(Direct Iron Mixing)や土壌内に設けた鉄粉壁で汚染地下水を浄化するPRB(Permeable Reactive Barrier)等、鉄粉を用いたさまざまな施工方法を提案いたします。
動画によるプレゼンテーション
DIM®工法
鉄粉による分解経路と分解時間
ゼロ価の鉄粉による還元分解によって、TCEは最終的に無害なエチレンと塩素イオンにまで分解されます。しかし、一般の鉄粉によるTCEの還元分解では、各物質種の分解速度の差異から、分解生成物としてc-DCEや塩化ビニル(VC)の蓄積が、ある程度避けられないことが知られています。
DOWAエコシステムの土壌浄化用鉄粉
DOWAエコシステムの土壌浄化用鉄粉を使用した際の分解経路は、一般的な鉄粉とは異なり、アセチレンを経由したものが主であると確認されています。すなわち、問題となる中間生成物の蓄積なしに分解を行なうことが可能なのです。
TCE分解中における分解産物
分解は擬一次反応で示され、重量比1%程度の鉄粉の添加で半減期は1~2週間となっています。このような反応では、有害物質の濃度変動に対応できることはもとより、汚染物質が所定の濃度まで分解された後も鉄粉の効力が持続します。